8月10日の惑星と月の撮影
ここのところ、晴れてはいてもあちこちに雲があるという天気が続いています。完全に雲がないという状態ではありませんでしたが、ちょっと試したいこともあって8/10の0時過ぎに木星と土星、同日23時過ぎに月を撮影しました。
試したかった事
今回は、以下の2つを試してみました。
- 惑星の撮影で拡大率をもう少し上げてみる
前回の記事で記載しましたが、ここ数年は元々2.5倍のバローレンズを2倍の拡大率で使っていました。手持ちの延長筒の関係で、2倍か2.5倍の2択しか選択肢がなかったのですが、今年になって延長筒のセットを別件で購入していました。それを使うとその中間の拡大率も使えるので、少しだけ拡大率を上げて、今までより細かい模様が写せるかを試してみました。機材構成としては以下の通りです。
- 高い拡大率で月のモザイク合成をやってみる
今まではMAK127+ASI533MCPを使った撮影では、直焦点で4枚のモザイク合成を行っていました。今回はバローレンズを入れておよそ1.8倍に拡大してモザイク合成を試してみました。機材構成は以下の通りです。
木星と土星の画像
今回は風が非常に強かったのですが、結構いい感じに撮影できていると思います。
時折強く風が吹くと土星や木星が大きく動いて、残像で何かの文字に見えるくらいでしたが、スタックするとそれなりの画像になるものですね。それでも、ものによっては以下のようにボケボケになるものもありました。
今回は風が強かったこともあり、拡大率を上げた方がよいかの判断までには至らなかったので、あと何度か撮影してみて確認したいと思います。
月の画像
高い拡大率のモザイク合成は、今回は失敗でした。画像はこんな感じです。
途中雲が通り過ぎた様で、1枚1枚の明るさが違い更に1枚の画像の中にも明るさムラがあるようで、それぞれのゲインを弄っても明るさが合いませんでした。また、個々の画像も少しボケた感じで拡大した効果があまりありません。直後に撮影した直焦点の画像は結構シャープに写っていたので、鏡筒の温度順応が不足していたのかもしれません。次の機会にあらためて撮影して確認してみたいと思います。
失敗作だけの掲載では何なので、直焦点4枚モザイクの画像も掲載しておきます。
以前の記事でも記載しましたが、今回の土星もスタックした複数の画像を更に加算平均するのに自作ソフトを使いました。これは、星雲などの画像をスタックする処理をそのまま使っています。一方、月の場合はその機能を少し書き換えたモザイク合成専用の処理を使いました。実はそのモザイク合成処理を実践で使うのはこれが初めてでした。
4枚の合成では全く問題なく動作し、拡大率を上げた撮影でも18枚の合成でしたがちゃんと合成はできました。今回上手くいかなかった原因が明るさムラということであれば、一応ソフトとしては問題なさそうです。当面このまま使ってみて大丈夫そうであれば、どんなソフトが紹介しようと思います。