9月5日~7日の惑星と月

9月5日は多少雲がありましたが、惑星や月を撮影することができました。夜8時半ころから撮影を開始し、木星土星、月を一通り撮影したあと、火星が撮影できる位置に来るまで暫く小休止。日付が変わって6日の1時頃から火星と(大赤斑が無い)木星を撮影しました。
翌7日の3時頃にも木星と火星を撮影したのですが、連続で撮影したのは何時ぶりなのか記憶にないほどです。9月に入ってもなかなか悪天候が続いていたので、ここぞとばかりに無理をして撮影しました。

その結果、画像処理用のデスクトップPCのSSDが一杯になり撮影用のノートPCからコピーできないという事態になったり、画像処理に非常に時間がかかったりと、ここ数日はパソコンでの作業に追われていました。ようやく処理も終わりましたので、その結果を掲載したいと思います。

今回のベスト画像

今回複数枚の画像があるので、先ずはベストの画像です。

土星:9/5 20:51@自宅ベランダ
MAK127,笠井2.5xバロー,ASI224MC, AZ-GTi, UV/IRカット
Gain 450, 露出 16ms, 8000frameを3ショット撮影, 各50%をスタック
AutoStakkert3, 自作ソフト, AstroSurface, GIMP で処理

土星は、この2時間後に更に高度が高くなるのでもう1セット撮影しましたが、この間にシーイングが悪化した様です。

木星(左上の衛星はイオ):9/6 1:31@自宅ベランダ
MAK127,笠井2.5xバロー,ASI224MC, AZ-GTi, UV/IRカット
Gain 350, 露出 10ms, 6000frameを7ショット撮影, 各50%をスタック
AutoStakkert3, WinJUPOS, AstroSurface, GIMP で処理

木星は大赤斑が見えていた9/5に3セットほど撮影しましたが、特に最初の時間帯はシーイングが良くなかった様で少しボケ気味の画像でした。日付が変わった6日の方がシーイングも良く、高度も高く且つ雲に全く邪魔されずに撮影できたこともあり、この画像が今のところの今シーズベストの木星です(ただ、残念ながら大赤斑は写っていません)。

火星:9/7 3:09@自宅ベランダ
MAK127,笠井2.5xバロー,ASI224MC, AZ-GTi, UV/IRカット
Gain 300, 露出 8ms, 8000frameを4ショット撮影, 各30%をスタック
AutoStakkert3, 自作ソフト, AstroSurface, GIMP で処理

火星は、この時よりも6日のシーイングの方が良かったはずですが、こちらの画像の方が良い出来でした。高度が高かったためだと思います。しかし、あまり高度が高くなると、上の階のベランダに隠れて撮影できなくなります。この時も三脚の高さをかなり低くして撮影しました。

月:9/5 20:28@自宅ベランダ
MAK127,ASI224MC, AZ-GTi, UV/IRカット
Gain 200, 露出 6ms, 250frameを50%スタック×4枚モザイク合成
AutoStakkert3, 自作ソフト, AstroSurface, GIMP で処理

上の画像はオリジナルを縮小しているので、アペニン山脈付近を切り出したものも掲載しておきます。

月:アペニン山脈付近

ほんの少し眠い感じはあるものの、かなり細かいところまで写っていると思います。

他の画像

他の画像も、せっかく撮影したので幾つか掲載しておきます。

大赤斑が写っている木星

木星:9/5 22:22@自宅ベランダ
機材や撮影時の設定, 処理等は前述の木星と同じ

やはり大赤斑が写っていた方が、木星らしい感じがします。この日の撮影ではシーイングがもう一歩だったものの、今シーズンの画像としては良く写っている方です。

木星と衛星(エウロパカリスト

木星と衛星:9/5 23:10@自宅ベランダ
機材、処理等は前述の木星と同じ, 1ショット撮影, 各50%をスタック De-rotationなし

ちょうど大赤斑が隠れ始めたころに、両脇にエウロパ(左)とカリスト(右)があり、ASI224MCの画面内に収まったので撮影してみました。左の更に外側にガニメデもありましたが、そこまでは入りませんでした。

木星と衛星(ガニメデ)

木星と衛星:9/7 03:01@自宅ベランダ
機材、処理等は前述の木星と同じ, 8ショット撮影, 各30%をスタック

上記で撮影できなかったガニメデが翌日7日の3時頃には木星の近くに見え、更に木星に影も落とすので撮影してみました。シーイングはあまり良くありませんでしたが、眼視で見てもガニメデと影がハッキリ見えて非常に面白かったです。

月の入り

月の入り:9/5 23:31@自宅ベランダ
EVOGUIDE 50ED, 笠井2.5xバロー, フラットナー, ASI533MCP, AZ-GTi, UV/IRカット
Gain 450, 露出 24ms×20frameをスタック, AutoStakkert3, GIMP で処理

もう少し早いタイミングで撮影したかったのですが、撮影した木星などの写り具合を確認しようと画像処理などをやっていて準備が遅れてしまいました。MAK127+ASI224MCからEVOGUIDE 50ED+ASI533MCPへの交換にも少し手間取ったので、撮影を開始する頃にはだいぶ沈んでしまっていました。しかも、撮影を始めてみると左に写っている電柱がちょうど月の真ん中にきてしまっていたため、急遽三脚の位置をずらす必要もあり、結局撮影できたのは見えなくなる2分前でした。まぁ、撮れただけでも良かったと思います。

まとめ

久しぶりに、惑星と月をいろいろと撮ることができて満足しました。しかし、調子に乗って大量に撮影してしまったためデスクトップPCのSSDが一杯になってしまい、撮影翌日はファイルの整理をやらなければならずなかなか画像処理に着手できませんでした。なんとか不要ファイルを整理して今回の撮影データは収まりましたが、次に惑星や月の撮影を行ってしまうとまた同じ状態になってしまいます。

動画ファイルの保存は、PIPPというソフトで画質の良いフレームのみを抽出し、更にクロップ+圧縮して保存しています。それでも、バックアップ用のHDD(1TB)がそろそろ一杯になりそうです。天気予報ではここ数日晴れの日はなさそうなので、早めに今回のファイル整理とHDDを調達しておかなければなりません。天文の趣味は、天気が悪い時でも結構忙しいものですね。