2025年の初撮り

今年最初の撮影は、正月に帰省した実家(鹿児島)で行いました。実家に持ち帰った機材はFMA135+ASI533MCPとスカイメモSです。昨年の夏に帰省した時と同じなので、機材についての詳細は以下をご覧ください。

r77-maabow.hatenablog.com

今回の被写体

帰省した時はいつも自宅では撮れない(撮り難い)被写体を出来るだけ多く撮るのですが、今回は過去に撮影した以下の2枚の画像を撮り直すことにしました。

左(M78~馬頭星雲): 2022/1/3 22:18- 22:49 @実家(鹿児島)
FMA135, ASI533MCP, Astro R77赤道儀, CBP
Temp.=-10℃, Gain=350, Exp.=64s, 15frames (Total 16mn)
右(NGC2264~IC2169):2022/2/18, 2/25, 3/3 @自宅
FMA135, ASI533MCP, AZ-GTi, QBP 
2/18 22:20-22:55: Temp.=-15℃, Gain=350, Exp.=24s, 86frames
2/25 23:37-24:12: Temp.=-15℃, Gain=400, Exp.=24s, 86frames
 3/3 22:47-23:40: Temp.=-15℃, Gain=400, Exp.=24s, 130frames (Total 2hr 0mn 48s)
何れも、DSS, Starnet++, SiriL, Neat Image, GIMPで処理

左は2022年に実家で撮影したものです。この時は露光時間が16分と短かったので、2023年に帰省した際に再度撮影しました。しかし、月齢9.8の月の影響に加え桜島の火山灰も舞っていたため、かなりコントラストの低い画像となってしまいました。今回は新月期なので撮り直すにはいいタイミングでした。

右は2022年に自宅で撮った画像です。露光時間は2時間ほどですが、光害の影響や当時の処理技術の未熟さもあって満足のいく画像にはならず、ずっと撮り直したいと思っていました。

結果画像

M78~馬頭星雲

M78~馬頭星雲:2025/1/2 22:46- 24:13 @実家(鹿児島)
FMA135, ASI533MCP, スカイメモS, CBP
Temp.=-10℃, Gain=250, Exp.=90s, 35frames (Total 52mn 30s)
DSS, Siril, GraXpert, Neat Image, AstroSurface, GIMPで処理

露光時間は2022年の画像の3倍ちょっとありますが、思ったほど大きく変わりませんでした。原因は、多分桜島の火山灰ですね。撮影は1時間21分(54フレーム)行いましたが、火山灰の影響でコントラストの低いフレーム多く35フレームしか使えませんでした。コントラストの低いフレームを除外しても、明るい星の周囲に盛大にハロが出ています。

それでも、M78や馬頭星雲の写りはかなり良く写っていると思います。もう少し強めに炙り出せば背景のモクモクも出せそうな気がしますが、輝星のハロがより酷くなるので今回はこの状態で完成としています。

2023年は火山灰の影響というより月が明るくてカブリが酷かったのですが、今年は桜島の活動が活発だったため火山灰の影響を強く受け新月期という好条件を活かせませんでした。なかなか思い通りにいかないものです。

NGC2264~IC2169

NGC2264~IC2169:2025/1/3 0:21- 1:31 @実家(鹿児島)
FMA135, ASI533MCP, スカイメモS, CBP
Temp.=-10℃, Gain=250, Exp.=90s, 47frames (Total 1hr 10mn 30s)
DSS, Siril, GraXpert, Neat Image, AstroSurface, GIMPで処理

この画像を撮る時間帯は火山灰の量が減った様で、撮影した全フレームを使って処理しました。多少は火山灰の影響もあるのでしょうが、暗い空の効果が十分に出ていて、2022年の画像と比べると露光時間は半分程度ですが非常に良く写っています。明るい星が無く火山灰によるハロは殆ど目立たないので、少し強めに炙り出せたというのもあると思います。

Hαの赤い星雲だけでなく、カタツムリ星雲(IC2169)もしっかり写ってくれていますし、画面上部にあるOⅢ領域(少し緑っぽい部分)も少しですが表現出来てかなり満足のいく結果になりました。

撮影後の機材

参考ですが、以下は撤収したあとの機材です。ブレて見づらいですが火山灰が乗っているのが分かると思います。

撤収時の機材の様子

後半の撮影前にブロアーで一度灰を落としたので、1時間ちょっとでこのくらい灰が積もったわけです。前半の撮影ではもっと灰が多かったと思うので、上空の灰だけでなくレンズに積もった灰もソフトフィルターの役割をしたのかもしれません。

翌日の撮影

目的の2枚の画像以外に、1月3日の夕方に月と金星を撮影しました。コンデジで撮ったものですが、せっかく撮ったので掲載しておきます。

左: 2025/1/3 18:01 @実家(鹿児島)
OLYMPUS SH-1, fl= 8.9mm(35mm換算49mm), ISO=400, Fno.=4, Exp.=1/13s
右:2025/1/3 18:12 @実家(鹿児島)
カメラは同じ, fl= 44.4mm(35mm換算248mm), ISO=640, Fno.=6.2, 
Exp.=1/100s×10枚を加算平均, AutoStakkart, AstroSurface, GIMPで処理

本当はこの後に前日の被写体を撮り増しするもりでしたが、この撮影直後に急に寒気がしてきたので撮り増しは断念しました。

どうやら前日の撮影で風邪を引いた様で、この風邪が1月終盤まで長引いてしまいました。症状は大したことは無かったのですが、治った後もしばらく気合が入らず撮影から1ヶ月以上経った今頃になってこの記事を書くことになりました。

NGC2264~IC2169の画像をアップグレード

今回撮影した2枚目の画像がなかなかの結果だったことに気を良くし、風邪が治った1月末に自宅で撮り増ししました。自宅だと光害の影響が大きいので、デュアルナロー(L-Ultimate)を使いました。撮り増し分だけを処理した結果が以下になります。

撮り増し分の処理画像:2025/1/30 23:52- 25:52 @自宅ベランダ
FMA135, ASI533MCP, SA-GTi, L-Ultimate
Temp.=-10℃, Gain=300, Exp.=300s, 24frames (Total 2hr)
DSS, Siril, GraXpert, Neat Image, AstroSurface, GIMPで処理

流石デュアルナローですね。露光時間が2時間と言うのもありますが、HαやOⅢ領域のは実家で撮ったものより写りが良いです。一方、かたつむり星雲などの反射星雲は殆ど写っていません。

そして上記撮り増し分だけでなく、過去にEVOGUIDE 50EDで撮った画像も併せて合成してみることにしました。使った画像は以下の2枚です。

左: 2022/12/30, 2023/12/22, 2024/1/7 @自宅ベランダ
詳細は省略(2024/1/17の記事に記載あり)
右:2023/12/9 3:34-4:56 , 12/18 2:01-3:36, 1/13 2:25-3:07 @自宅ベランダ
EVOGUIDE 50ED+フラットナー, ASI533MCP, SA-GTi 
12/9: Temp.=-10℃, Gain=150, Exp.=120s, 41frames, IR/UV-Cut
12/18: Temp.=-10℃, Gain=200, Exp.=120s, 47frames, CBP
 1/13: Temp.=-10℃, Gain=150, Exp.=180s, 14frames, QBP (Total 3hr 38mn)
何れも、DSS, Starnet2, SiriL, Neat Image, GIMPで処理

これらの画像を1月3日に撮ったものと合成した結果が以下になります。

合成した結果

デュアルナローの画像を加えたことで、全体的に星雲のボリューム感が増しました。また、コーン星雲からキツネの毛皮星雲辺りの解像感がかなり上がり、かたつむり星雲の角(目?)や口の部分が少し濃くなりました。あと、恒星についてはCosmic Clarityというソフトのデコンボリューションを使ったので、多少クリアになっていると思います。実家で撮ったままの状態からするとかなりのアップグレードで、お気に入りの画像になりました。

まとめ

今年最初の撮影は、過去に撮った画像2枚の撮り直しでした。桜島の火山灰に阻まれて1枚目は思ったほどの結果にはなりませんでしたが、2枚目はかなり満足のいく結果になり1勝1引き分けと言う感じでしょうか。

2枚目は調子に乗って、デュアルナローでの撮り増し・焦点距離の違う過去画像との合成を行いました。焦点距離が違う画像合成はちょっと反則気味な気もしますが、実家の暗い空で撮ったバンドパスやブロードバンド画像を自宅で撮ったナロー画像で補完するという処理は結構使えそうです。