今年の6月から10月までは、Sky-Watcher MAK127で撮ったDSOを頻繁に記事にしていました。その後、11月初旬が木星の衝だったという事もあり惑星関連の記事を2回連投しましたが、MAK127によるDSO撮影には続きがあります。随分前に撮ったものもあるので、忘れないうちにそれらの画像を記事にしておきたいと思います。
X(旧Twitter)にポストしたものもが殆どですが、追加撮影して露光時間を増やしたものもありますので最後までお付き合いください。
はじめに
今回紹介する画像を撮影した機材はフィルターを除いてほぼ同じなので、最初に記載しておきます。
- 光学系:Sky-Watcher MAK127+Kenko Close-up lens No.4 + No.5
- カメラ:ZWO ASI533MC Pro
- 架台:Sky-Watcher Star Adventurer GTi(以降SA-GTiと記載)
なお、2年前に撮影した画像も掲載していますが、その画像については Close-up lensではなく笠井トレーディング1.25"レデューサー、SA-GTiではなくAZ-GTiを使っています。
撮影日は前後しますが、以降にDSOの種類ごとに紹介していこうと思います。
惑星状星雲
最初は惑星状星雲で、最初はどくろ星雲(Skull Nebula)と呼ばれているくじら座のNGC246です。
Xにポストした時はどこが「どくろ」?と思っていましたが、180度回転させると、何となくかわいい石ころの様などくろに見えてきました。
この星雲は初めての撮影で、私にとってはあまりなじみのなかった星雲だったのですが、Webで検索すると結構出てきたのでメジャーな天体なのでしょうね。
次は、ろ座にあるNGC1360です。
コマドリの卵星雲とも呼ばれている様で、色がとても美しい星雲ですね。
いつかはちゃんと撮りたいと思っていて、2年前に初チャレンジしました。しかし、露光不足でかなり残念な写りだったため、今回かなり時間をかけて撮影しました。露光時間3時間半ほどの状態で一度Xにポストしましたが、まだまだ露光不足だったので、追加撮影し総露光時間4時間44分とした結果がこの画像です。
この星雲、非常に淡く難敵です。これだけ露光時間をかけてもまだノイズが目立ち、かなり強めのデノイズ処理で誤魔化しています。それでも2年前は以下の状態でしたから、大進歩です。
系外銀河
今回撮影した2つの系外銀河も、前出のNGC1360と同様2年前に撮影しています。露光時間も同じく2年前より増やしたので、どう変わったかを見られるように2つ並べて掲載します。
1つめは、ちょうこくしつ座のNGC253です。
露光時間が30分弱から1時間半弱と約3倍なので、2年前のものと比べると銀河の腕の部分がかなり明るく写っています。CBPを使った効果か若干赤ポチも写っている様なので、調子に乗って少し明るめに仕上げたというのもありますが、これだけ写ればかなり満足です。
2つ目は、くじら座のM77です。
こちらも、露光時間は48分から2時間40分と大幅に増えています。
しかし、周辺部はかなり暗い様で、2年前のものと比べて僅かに明るくなったという程度でした。そういう意味では露光時間を増やした効果は出ていませんが、ノイズが減ってかなり滑らかな画像になっています。
散光星雲
散光星雲は、IC434(馬頭星雲)とM42を撮影しました。
何れも、昨年EVOGUIDE 50EDで撮影しています。今回はクローズアップして、星雲の細かいモクモクやウネウネを写し出したいという狙いです。
まずM42です。
光学系の性能と架台の追尾精度のため多少眠い画像にはなるのですが、M42は非常に明るいのである程度の強めに強調処理を行うことが出来ました。その結果、目論見通りの仕上がりになったと言って良いと思います。少し残念なのは、中心部が若干飽和してしまっている部分でしょうか。
一方、馬頭星雲(の背後のIC434)はM42と比べるとかなり暗く、2時間40分の総露光時間でもまだ足らない様です。
もう少し明るく強調処理も少し強めて背景のモクモク感をもっと出したいところですが、ノイズが目立ってしまうのでこの位に止めています。今年中には1~2時間程度追加撮影するつもりでしたが、残念ながら来年以降ですね。年明け早々にでも撮影したいと思います。
超新星残骸
最後は超新星残骸で、この時期と言えばM1(かに星雲)です。こちらも2年前に撮影しているので、その時の画像と並べて掲載します。
2年前の露光時間は23分、今回は54分なので、当然といえば当然ですが淡い部分まで写っていると思います。ただ、露光時間が1時間未満と少ないためかなりノイズが多く、強めのデノイズ処理を行っています。馬頭星雲と同じく、年明け早々にでも追加で撮影したいと思います。
まとめ
今年6月頃から、MAK127+クローズアップレンズという構成でDSOを撮影してきました。焦点距離が約1,000mmなので、長焦点ならではの迫力のある画像が得られます。
また、以前MAK127で撮影していた時はAZ-GTi(経緯台)でオートガイド無しだったので1フレームの露出は8秒から16秒と短く、視野回転もあり短めの総露光時間でした。今年からはSA-GTiでオートガイドしながらの撮影になり、1フレームの露出時間、総露光時間共にかなり増やせる様になりました。
周辺は結像性能が悪く星は丸くならず、SA-GTiにとっては焦点距離が長すぎて追尾精度不足によるボケも生じてしまいますが、自分としてかなり満足しています。当面は新たに鏡筒を購入する予定はないので、長焦点に関してはこの機材構成を使っていこうと思います。