木星画像の再処理
撮影できない日が続いています。この2日ほどは青空すら見えず、撮影はお休みです。だからというわけではありませんが、7/31に撮影した木星の画像を再処理してみました。
処理結果
早速ですが今回の処理結果です。
前回の画像はこちら。
大きく改善とまではいきませんが、多少は良くなったと思います。
前回との変更点
前回と変えたのは、以下3点です。
- 写りの良い3セットだけを使用
- 強調処理を強めに設定
- カラーバランスを変更
前回は撮影した13セットの画像全部を使ってデローテーションしました。しかし、雲が行き交う中での撮影だったので、中には写りの悪いものがありました。また、WinJUPOSの画像調整で画像の傾きが若干ずれていたものがありました。経緯台による視野回転があるので、画質のばらつきがあると「自動検出」の調整では多少ばらつくみたいです。そこで、できるだけ写りが良く撮影時間が近いものだけで処理しました。
あとは、強調処理とカラーバランスは、次に記載する「お手本」を見ながらパラメータを決めました。
お手本画像の作成
天文活動を再開したときは、様々なブログを参照して物凄く高精細な画像に驚きました。大きな天文台やボイジャー(古い?!)が撮った画像じゃないかと思うような画像が掲載されていて、いつかはこんな写真が撮影できたらいいなと思いながら見ていました。そして、自分でも惑星撮影して処理に色々格闘し始めたころ、その様なブログに掲載されている画像をコピー&加工させてもらってお手本画像として(勝手に)使わせてもらっていました。どの様にお手本画像を作ったかと言うと、画像をぼかして縮小するという手順です。参考として、NASAの画像で同じ様な処理をしたものを掲載します。
ぼかし量は、すごく乱暴ですが参考にしたブログの鏡筒と自分の鏡筒の口径比をガウスぼかしのピクセルサイズに設定します(上図左が原画、右がぼかし処理の画面 ※この画像はNASAのものなのでぼかし量は適当です)。あとは、木星の大きさが自分の撮影したサイズになるように縮小させます(下図左が縮小した画像、右が自分の撮影画像)。
このように作成した画像をお手本すると、「ここまで行けるはずなのでもう少し頑張ってみよう」とか「この日はシーイングが悪かったのでこれくらいな?」などの判断基準ができるため、ああでもないこうでもないと延々と試行錯誤することが減るように思えます。
実は今回再処理をしようと思ったのは、天リフさんのブログ紹介の画面で以前お手本にしていたブログの隣に自分のブログが紹介されていたのがきっかけでした。「いつかはこんな写真が撮りたい」とずっと思いながら見ていた、言わば憧れの写真の横に自分の写真が載っていて非常に嬉しかったです。そこで、久しぶりにお手本画像を作って処理をしました。
結果としては、前回の処理に比べコントラストが多少上がり、色合いも少しマシになった様に思います。もちろんお手本には届かない状態ですが、ここまでできれば上出来です。
木星の自転の様子
7/31の撮影では、色々あって木星は13セット撮影しました。途中、土星や火星を撮った時間の画像が抜けていましたが、今までこれほど多く撮影したことはありません。試しにそれらの画像をアニメーションGIFにしてみました。
かなり粗い画像でフレーム毎の仕上がりも異なるので、少し見づらいものになってしまいました。しかし、こうやって動いている木星の画像が自分で作れるのは楽しいですね。