EVOGUIDE 50EDによる月の撮影

8/7は午後から晴れ間が出てきて夕方には月も見え始めたので、久々に月を撮影しようと思っていました。8時ころ空を見ると曇っていて今日もダメかと一旦あきらめましが、11時ころベランダに出ると沈みかけの月が綺麗に見えていました。高度も低く近くに雲もあったのですが、久々の月なので撮影することにしました。

しばらくすると月が沈むというタイミングだったので、さっとベランダに出してすぐ撮影ができるEVOGUIDE 50ED+AZ-GTiを使いました。しかし、EVOGUIDE 50EDでの月の撮影は4か月振りでいつもの機材構成を思い出せず、準備に手間取ってしまいました。前回の惑星撮影の機材構成と同様に、この構成についても忘備録として記載しておこうと思います。あと、EVOGUIDE 50EDを眼視でも使っているので、それについても触れたいと思います。

撮影した月の画像

月が沈む前に、雲が掛かっていない状態でなんとか500フレーム×2ショットの撮影ができました。

月: 2022/8/7 23:17@自宅ベランダ
Sky-Watcher EVOGUIDE 50ED+笠井2.5xバロー+ASI533MCP, AZ-GTi, UV/IRカット使用
非冷却, Gain 250, 露出 16ms, 500frame の50%をスタック×2セットを加算平均
AutoStakkert3, AstroSurface, GIMP で処理

高度が7度くらいとかなり低かったので、大気の揺らぎの影響を大きく受けて少しぼけた画像になってしまいました。もっと早い時間に撮れればよかったのですが、このあとすぐ雲が掛かってしまったので、撮れただけよかったです。以下は、数分後の状態です。

雲に隠れる月: 2022/8/7 23:25@自宅ベランダ
Sky-Watcher EVOGUIDE 50ED+笠井2.5xバロー+ASI533MCP, AZ-GTi, UV/IRカット使用
非冷却, Gain 300, 露出 384ms, 20frame を風景(雲)基準にしてスタック, 
Gain 200, 露出 6ms, 200frameの50%をスタックした月と合成
AutoStakkert3, AstroSurface, GIMP で処理

雲の様子が写る様にすると月がサチってしまうので、月の模様を何とか出そうと適正露出の月をブレンドしたのですが、いかにも合成という画像になってしまいました。目で見ると月も雲も良く見えるのに、明るさが大きく違う画像を良い感じに仕上げるのはなかなか難しいです。

EVOGUIDE 50EDで月を撮影するときの機材構成

以下の画像が全体構成になります。左から順にEVOGUIDE 50ED、31.7mm/M42変換アダプター+UV/IRカット、付属延長筒+笠井2.5xバロー、フラットナー、ASI533MCPです。

以下は後ろ側のみの画像です。

「31.7mm/M42変換アダプター+UV/IRカット」の部分は、変換アダプターの後ろ側にUV/IRカットをねじ込んでいます。気休めだと思いますが、少しでも光束が蹴られないように後ろ側にしています。
「付属延長筒+笠井2.5xバロー」の部分は、MAK127で惑星を撮影するときと同じ構成です。
この構成だと、バローレンズによる拡大率は2.5倍程度になります。ASI533MCPと組み合わせると、月全体がそこそこの大きさで1画面に入るので、月食など月が関連するイベントで使うのにちょうど良いです。
MAK127で月を撮影することもありますが直焦点でもASI533MCPでは全体が収まらないため、高精細に撮りたいときにMAK127を使ってモザイク合成して月全体の画像を作る様にしています。

この構成でも、月の高度が高くシーイングが良いと結構綺麗な画像が撮れるので、EVOGUIDE 50EDは侮れません。以下の画像は昨年撮影したものですが、なかなかなものだと思います。

月が関連するイベントとしては、昨年11月8日の金星食や11月19日の部分月食などに活躍してくれました。

なぜか月関連のイベントは天候に恵まれず、いずれも雲に邪魔されながらの撮影でした。この前の火星食などもそうですが撮影すらできないことが結構あります。とは言え、月の撮影でもEVOGUIDE 50EDは活躍してもらっています。

EVOGUIDE 50EDを眼視でも使う

大活躍のEVOGUIDE 50EDですが、私のほうでは眼視でも使うことがあります。眼視の場合、通常の使い方だと付属の延長筒と接眼のスペーサを使い下図左のように使うことになります。これだと、天頂付近が見づらいので下図右の様に天頂プリズムを使っています。

EVOGUIDE 50EDはフォーカサーの稼働範囲が大きくないので、天頂ミラーでは光路長が長すぎて使えません。カタログ上で光路長が短い天頂プリズムを探して笠井トレーディングのものを購入しました。それでも実際に使ってみるともう少しのところでピントが合わなかったので、以下の様に接眼側の枠を少し切断してあります。

MAK127は焦点距離が長いので、撮影だけでなく眼視においても大きめの天体は視野に収まりません。そのような天体をEVOGUIDE 50EDでみると丁度よい感じで見ることができます。M45などをEVOGUIDE 50EDで妻に見せると非常に喜んでくれるので、極稀に遠征に行くことがあるのですが、その時は低倍率で楽しめる天体を妻にも見てもらったりしています。

以上の様に、EVOGUIDE 50EDはDSOの撮影から月の撮影、更には眼視にまで使えて非常に重宝しています。欲しかったRedCat51が(私にとっては)あまりに高かったのでEVOGUIDE 50EDを選んだのですが、今となってはこれでよかったと思っています。以前はフラットナー込みでも諭吉さん3人ちょっとで買えたので、非常にコストパフォーマンスの高い鏡筒だと思います。本来のガイド鏡という用途ではまだ使ったことはありませんが、これからも色んな天体の撮影に頑張ってもらおうと思います。